修学旅行の高校生に原発事故、自主避難について語りました

社会問題を取り上げるスタディツアーなどを行っている団体「一般社団法人リディラバ」さんから依頼を受け「東日本大震災から7年・自主避難という選択〜震災と復興について考えるツアー」に参加する修学旅行の高校生たちに、原発事故と自主避難についてお話する機会をいただきました。

何が起こったか、それから、そして現在の状況について、10月9日は広島、10月19日は大阪の高校生を対象にお話をしました。ここでは大阪の高校生たちからいただいた感想をまとめました。原発事故当時9〜10歳(小学3〜4年生)だった若者たちの貴重な声をお読みください。

  • 東日本大震災の影響でどんなことに困ったのかを詳しく知ることができました。特に国が正しい情報を発信していないということに驚きました。
  • 改善されているように見えていても実際にはぜんぜん改善出来ていないことが多いということがわかりました。
  • 自然災害について法律が不十分だということを痛感した。
  • メディアが発する情報と被害者の方が発する情報の差があることに驚いた。被災されたのにも関わらず、他の被災者された方々のためにむさしのスマイルを設立されたことは、本当に素晴らしいことだと思いました。いま自分が住んでいる地域にある災害時に影響のありそうなものについて調べることで、状況判断能力を向上させ、避難指示待ちの状況にならないようにしようと思った。特に印象の残ったことは、「正しい情報よりも、一人一人が考える情報の方が命を守れる」とおっしゃったこと。自分の生まれ育った(ところだ)から帰りたいという気持ちを原発事故が全く解決していないから帰りたくないといった、気持ちの複雑さが被災者の方々を更に窮屈にさせているのかなと思った。
  • 正しい情報が流れないなどはとても深刻なことだと思ったが、やはり誰もが生き残りたいと必死だったと思うので、人に十分に伝わらないのは仕方がないと思った。そのようなことが二度と起こらないように県や自治体単位で大規模な最悪の場合を想定した災害避難訓練を行ったり、起こりうる事象と実際に起こったときにどのような対応を取ったらよいのか、どのように国や県は支援を行うのか、事前に提示することが必要であると思った。また、「知っている」だけで大きく役に立つ情報が存在するということを改めて確認することができた。
  • 「困った点は住まいが不安定。普段出会わない人と出会った。正確な情報を出して欲しい(早く)。原発をやめてほしい」(という話だった。)
  • 今まで全く知らなかった避難している状況や、どういったことで困っていたか、どういう心情であったかなどのお話を聞くことができて、自分とあまり関係のないように考えていたけど、もっと考えていかないといけないなと思いました。もっと法律のことについて、どうなっているのか知りたいと思いました。
  • 災害についてのあまり知らなかったこととか、かなり深いところの情報を知ることができて、よかったです。
  • 避難に関する私が知らない単語があることが多々あったが、かみ砕いて説明してくれたのでとても分かりやすかった。
  • 自分も被災した立場であるのに、他の被災された方のことを考え、このような団体を立ち上げたことがとてもすばらしいと思いました。ありがとうございました。
  • 居住率や放射線のリスクなどで、福島に戻れないのはどうしたら解決するのか気になった。
  • 命を守る行動を取る時、どのように行動すればいいのか、注意するべき点、ほかに事前にやるべきことってなんですか?
  • 自主避難者で何に困っているのかや全く想像できないことが問題になっている事を知って驚きました。
  • 避難というものの定義はむつかしいものだと思った。放射能はやはりキケンで、その土地に残り続けるんだなと思った。震災というのはいつまで続いていくのだろうと思った。
  • 当時はテレビを見ていたので、何も実感がわからないまま、その話題が消えていってしまったけれど、今日の話を聞いて、もっと興味を持ってボランティアなど、自分ができるようなことには積極的に参加していきたいと思いました。
  • 今まで被害とか、そんなに大きいものにあったことがないから、被災者の気持ちとかわからなかったけど、今日の話を聞いて、変えなければいけない分がたくさんあるんだと思った。
  • 国が勝手なデータを出すのは何故?と思った。原発事故の原因が未だにわからないのは何故?と思った。「若者が社会を変えていってほしい」と話されたが、自分たちは関係ない話じゃなく、むしろ重要なことだと思った。
  • 私は母方の実家が仙台なので、震災の際は割と大変なのは知ってたけど、法律がちゃんと機能していないとか、まだまだむつかしいなと思った。
  • 国があまり有能でないと思った。原発は避難訓練などに積極的でなかった自治体が主だったというのを聞いて、自治体の活性化、地元の力を求めざるを得ないと思った。データ、情報をいち早くほしい、自分たちがという気持ちがないと、無限ループのような問題になってしまうのではないかと考えた。
  • 地震のおそろしさを改めて知ることができ良かった。
  • 避難生活は本当に大変で、国や自治体が動かなければならないと思った。不便なことがあると知った。市民はそれぞれ国に対する不満を持っていると知ったのは初めてだった。国はもっと市民や様々な人の意見を吸収し、改善していかなければと思った。
  • 実体験談は現実味があって、感慨深いものがあった。
  • なんで東京に来たのか、今もし原発事故が起きたらどのように逃げますか(服装、持ちものなど)。国や原発を作った人はどのように対処すればよかったのか。原子力発電をやめるとしたらどのような発電方法で発電したらいいと思いますか。普段聞けないようなことを聞けてとても良かった。被災者の話を聞いたことがなかったので、いろいろ興味があったので、聞いていて感動?した。
  • 今までは自然災害だけとして見てきたけど、間違っていたんだと思いました。他事ではないという自覚と、自分もそうなるかもしれないという意識が必要だと知れて、知らないということが怖いことだとも思いました。
  • 自分は、東日本大震災について、ほとんどが復興し回復していると思っていましたが、現実は全く解決していなかったことに驚きました。日本政府や福島県の対応もまるで他人事のように感じました。
  • 私は自分で意識して避難することは考えもしないことなんですけど、自主避難は政府からの指示で避難するよりも多いんだなあと思った。家がなかったり、情報がなかったりして大変なんだなと思った。正しい情報を自主的に知ろうとすることは大事。これから知っていこうと思った。これから関西でも南海トラフ地震が起こると言われているので、避難に関して勉強になった。
  • 東日本大震災をニュースで見て衝撃を受けました。7年経った今も苦しい立場にある人がたくさんいらっしゃる現状を政府が住宅や金銭的な支援などを行って、良くしていくべきだと思いました。そのために、避難者の声を聞くことはとても大切だなと思いました。お話を聞いて国の法律がとてもおかしいなと思いました。政府の人たちが国の法律を変えようとしたのか、もしそうでなかった場合、おかしいと思いながらそのままにしたのか気になりました。災害救助法は長期にわたる災害に対応したものにするべきだし、子供被災者支援法もしっかり機能させるべきだと思いました。これから災害が起こったときに、同じようなことが起きないように、原発に頼るのはだめだと改めて思いました。これは他人事ではなく、日本国民みんなが考えなければならない問題だと思いました。
  • 私は震災が起きたとき10歳ぐらいだったけれど、本当にその時の状況をテレビで見ていたのを鮮明に覚えていました。そこで泣きくずれる人々を見て、心が痛みました。そこから、だんだん復興してきて、今はそんなにテレビでも見たこともなくなってきて、もう大丈夫だろう。このように勝手に考えていて、今もなお生活に苦しんでいる人たちがいらっしゃることをその方々のお話を間近でお聞きすることもでき、本当に良い、貴重な体験ができました。これからも、どのように国が対処して行くか、テレビのニュースなどで関心を持って調べたり、見たりして学んでいきたいと思う。
  • 震災が起きたとき、僕は小学3年生でした。それから7年僕は何の不自由なことなく生活していましたが、今回の講演の中で、本当に辛かったのだな、と思いました。それに、仮設住宅があるから良いのではないかと思っていたけど、現実では全然違って、これこそ情報の伝達ができていないのだなと思いました。安全は確信がないと安全ではないのだなと改めて思いました。避難することが一番ではなく、それに見合った状況判断が大切なんだなと思いました。この貴重な話を聞くことで避難に対する考え方が変わりました。本当にありがとうございました。

むさしのスマイル
岡田めぐみ